私たちは、両眼で目標をしっかりと捕らえることで、(意識的であれ無意識であれ)そこまでの距離や方向を確認しながら、体を動かすことができます。走りながらハードルを飛び越える、飛んでくる打球をタイミングと距離を測りながらキャッチする、ゴールに向かってシュートする。すべての行動は、両眼でしっかりと目標を捕らえることが起点となります。
もし、これらの行動を、目隠しをした状態で行ったなら、体はどこへ向かってどう動いたらよいのか?まったく検討もつきませんよね。
私たちの両眼の視線はいつもどこかに合っており、同時にピント合わせも自動的に行なっています。この、視線とピント合わせが一致している両眼の方向を「行動的視方向(アクティブ・ビジュアル・ポジション)」といいます。
この、「行動的視方向」が、体を動かすにあたって起点となるのです。
しかし、老眼になれば近くのものにピントが合わなかったり、近視になれば遠くがぼやけて見えたり、また視力が良くても両眼の寄せや開きがうまくいかないなど、この「行動的視方向」にズレをきたすと、奥行きの感覚が狂ったり、自分の身体感覚を乱したりします。
スポーツ選手にとっては「自分から見たどの方向、どんな距離でも、一瞬で両眼の視線の向きとピントを意識せずに合わせる」ことが重要であり、「行動的視方向」のバランスをビジョントレーニングやメガネで安定させることが、迷いなく自分のパフォーマンスを発揮できる土台づくりとなります。








視野の中心ではっきりものを見よう、確認しようとすることは、もちろん悪いことではありません。
見て、考えて、動く<認知→判断→行動>という行動パターンを、我々人間は常に行なっていると思いがちです。